トレーサーガスによる拡散実験
環境影響評価では、大気拡散モデルを用いて大気質の濃度を予測しています。
その検証としてトレーサーガスを用いた拡散実験(以下「トレーサー ガス拡散実験」という)が実施されています。
当社では、長年培われたトレーサーガス拡散実験の技術により科学技術の向上に貢献しています。
トレーサーガスについて
トレーサーガスについて 英語でtraceという言葉があります。
この言葉は名詞として用いると「痕跡」、動詞では「追跡する」という意味があります。トレーシングペーパーやトレーサビリティなどの言葉はこのtraceから派生した言葉です。
科学の分野では、元素または物質の挙動を知るために添加する物質をトレーサー(tracer)と呼んでいます。
大気拡散実験では人工的なガスを放出して拡散の状況を調べますが、この時に用いるガスをトレーサーガスと呼んでいます。
トレーサーガスの要件としては、人や動植物に無害であること、無味・無臭であることなどが挙げられます。六フッ化硫黄(SF6)はこのような要件を備えていましたので、従来からトレーサーガスとして多く用いられてきました。
しかし、1997年、京都議定書において地球温暖化物質に指定されましたので、現在では極微量(pptレベル)でも分析できる過フッ化シクロヘキサン系のトレーサーガス(パーフルオロメチルシクロヘキサン(PMCH)など)を代替物質として用いています。
トレーサーガスの種類は異なっても基本技術は同じです。


トレーサーガスの分析について
トレーサーガス(PMCH)の極微量分析を加熱脱着-GC/MS/MS法で行います。
PMCHの性状
| 名称 | パーフルオロメチルシクロヘキサン(PMCH) |
|---|---|
| 化学式 | C7F14 |
| 分子量 | 350 |
| 常温での形状 | 液体 |
| 性状 | 無色・透明 |
| 沸点 | 76℃ |
| 凝固点 | -30℃ |
| 水への溶解度 | 難溶 |
分析例
- バック採取
- 捕集管吸着
- 内標準(IS)添加
- 加熱脱着GC/MS/MS
